司法アクセス学会第10回学術大会
1.日時:2016年11月26日(土)13:00~17:00
2.会場:弁護士会館2階「講堂クレオ」(東京都千代田区霞が関1-1-3)
3.テーマ:「司法アクセス―ニーズへの多角的アプローチ―」
4.企画の狙い
司法制度改革は現在、司法試験合格者数・法曹人口問題、予備試験合格者の増加、法曹志望者激減と法科大学院の撤退、裁判員辞退者の増加、訴訟利用・ADR利用の伸び悩みなど多様な問題に直面しており、司法制度改革の所期の理想イメージとの乖離は深刻なものになってきている。その背景には、グローバル化、IT革命、少子高齢化、規制緩和など21世紀に入ってからの社会、経済、文化、政治の変容の速度が予想以上のものとなり、リーガル・サーヴィスの提供者側が依拠する従来型のサーヴィス・モデルと、需要者・消費者側の新たなニーズとの間にギャップが生じつつあることも関連しているであろう。
日本は超高齢社会に突入し、高齢者問題、家族構造の変容、限界集落の増加、地域コミュニティの崩壊、労働市場の不安定化と格差社会化など、根の深い多角的社会問題の陳列棚の様相を呈している。こうして、日本人および日本社会はこれまで経験したことのないような危機に直面していると言える。他方、女性の社会進出という望ましい変容さえも、セクハラ・パワハラ問題のみならずワーク・ライフ・バランス問題やグラス・シーリング問題など新しいタイプのリーガル・ニーズを惹起させている。このように多角的な社会問題が惹起する新たな、かつ困難なリーガル・ニーズに対して、現在の法専門家はそれらを掘り起こし、それらに寄り添ってゆくことができるだけの心構えとスキル、知識と経験を備えているだろうか。新たな哲学と方法論と知見とを模索しなければならない可能性が大きい。すなわちリーガル・サーヴィス・モデルに革命が求められているのではなかろうか。
当学会は今年設立10周年を迎え、その節目の学術大会として、変容するリーガル・ニーズへの有効な対応策を再度掘り下げることとしたい。
5. プログラム
〇13:00
【開会の辞】司法アクセス学会会長 小島武司氏
【Ⅰ】理論編:司法アクセスにおけるサーヴィス・モデルとジェンダーの
在るべき方向
①13:10~13:50「司法サーヴィスのモデル・チェンジ」
濱 野 亮氏(立教大学教授)
②13:50~14:30「女性と司法アクセス」
田 巻 帝 子 氏(新潟大学教授)
〖休憩(総会)〗 14:30~15:00
【Ⅱ】実務編:法実践におけるサーヴィス・モデルとジェンダーの在るべき
方向
③15:00~15:20「多元的アクセス・ルートの開発―弁護士業務の場合」
秋 山 清 人氏(弁護士) ④15:20~15:40「多元的アクセス・ルートの開発―司法書士業務の場合」
山 本 一 宏氏(司法書士) ⑤15:40~16:00「多元的アクセス・ルートの開発―行政書士業務の場合」
伊 藤 浩氏(行政書士) 〖質疑応答・意見交換〗 16:00~16:40
【総括報告】
⑥16: 40~17:00「司法アクセスの10年―司法アクセス学会の役割―」
司法アクセス学会会長 小島武司氏
〇17:00
【閉会の辞】太田勝造氏(東京大学教授)
※大会終了後、懇親会を予定しています (費用3,000円)。
第10回司法アクセス学会-チラシ_表面.pdf第10回司法アクセス学会-チラシ_裏面.pdf